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芸研日誌

芸研日誌

2021年08月09日

夏と遊び

こんにちは、研究留学生のユウです。

皆さんは夏休み、何をして遊んでいますか?
四季にはそれぞれの遊び方がありますが、中でも夏には、他の季節よりも魅力的な楽しみが多いようですね。それはまるで、夏季オリンピックの方が、種目が多いようなものです。
最近、オリンピックの英語表記が「Olympic Games」であることにたまたま気付いて、興味深く感じました。「Game」という言葉は、英語を母国語とする人でもそうでない人でも、「競技」ではなく「ゲーム(遊び)」という意味で理解している人が多いと思います。
私が子供の頃に初めてオリンピックを見たとき、様々なスポーツの動きを真似して、家の中で飛び跳ねていたことを思い出しました。跳び込みを真似してベッドのマットレスを壊してしまったこともあります…
大人になって、オリンピックの歴史や意味を知り、さらには選手たちの苦労を知ったものの、子供心にオリンピックを「遊び」として捉えていたことも悪いことではなかったのだと思いました…(最近、村上春樹のシドニーオリンピックを題材にしたエッセイ「シドニー!Sydney!』を読んでいます。読んでいてリラックスできる本です!

ところで皆さんは、京セラ美術館の2階にある談話室をご存知ですか?談話室という呼び名はちょっと厳粛な響きがしますが、実際には子供も大人も一緒に楽しみながら教育普及活動を体験できる場所なのです。

談話室(冊子『談話室とラーニング』より)

このスペースにある高低入り混じった椅子は、本校彫刻科の小山田徹教授の作品です。大人の目から見ると椅子としての機能を果たしていますが、子供にとっては遊具です。また、子どもは遊び方を教えてもらわなくても、自分でいろいろな遊び方を工夫することができます。この椅子のデザインコンセプトは、談話室の冊子にある「対談:小山田徹(美術家)×細馬宏通(人間行動学者)」の中で、より広い視点から解説されています。
造形や色彩などのデザイン要素の下には、小山田先生の純粋な童心があり、対談を通して、もちろん、デザインの細部に至るまではそれぞれに根拠があることがわかります。

同じく童心に満ちていて「子どもらしさ」を持っているのが、本研究室の飯田真人教授です。
飯田先生から招待されて「子ども造形教育論」を受講した私たちは、談話室の常連、いわば遊び仲間となりました。

遊びに来た院生たち

ここ数回の遊びのテーマ、すなわちワークショップのテーマは、美術館で展示されている展覧会に関連したものでした。これは飯田先生が材料を運ぶのに一つのバッグしか使わなかったほどシンプルな遊びでしたが、参加した子供たちは皆シンプルな喜びの表情を顔に浮かべていました。

一番最近の遊びは、「フランソワ・ポンポン展—動物を愛した彫刻家」についてでした。展覧会も2階にあったので、展覧会を見た人が同じ階にある対談室に入るのは当然の流れとなり、子供連れで来ていた家族も自然に遊びへ参加していました。

材料は、白い粘土と透明なプラスチックの箱だけです。簡単に説明すると、粘土で形を作って、箱の中に入れておくというものです。しかし、そのような単純な遊びであっても、子どもたちの思考を促すものとなりました。

飯田先生の誘導で、子どもたちは見てきたばかりの展覧会のことを思い出し、感想のようなことは表現できなくても、気になったことを具体的に、手に持っている素材を使って表現することができました。
その過程で、手に持っている粘土という素材のことや、どうすればその粘土で作った生き物を立たせることができるか、どうすれば箱に入れて作品をよく見せることができるかなどを自然に考えるようになりました。
遊びの終わりには、子どもたちはギャラリースペースに作品を展示することができ、保護者たちは子どもたちがアーティストになったその瞬間を喜んで記録していました。

自分の研究では、このような遊びを例にして、より専攻的な視点で解釈し、より多くの意味を引き出すことを目的にしています。研究テーマに関連するものではありますが、私が談話室での遊びを思い出すたびに感じるのは、楽しい時間を過ごせたこと、そして、参加した全員と同じように、この夏の一日が素晴らしい思い出となったことです。
オリンピックもそうかもしれないと思います…現在ではオリンピックに様々な意味がこめられますが、やはりそこには遊びの純粋な楽しさがあります!

今回の日誌はここまでです。
皆さん、素敵な夏休みをお過ごしください!

談話室でのイベントは「ぽよよんタイム」と呼ばれていて、担当スタッフの富塚絵美さんと藤田龍平さんはとても魅力的な方です。いつもユーモアたっぷりにアドバイスやアイデアを教えてくれます。興味のある方はぜひ一緒に談話室で遊びましょう!
8月のイベントへのリンクはこちらです↓