Department of General Science of Art
Kyoto City University of Arts

芸研日誌
芸研日誌
- 修羅場と振り返り
2021/02/03 - 本番に潜む魔物
2021/01/18 - 年明けのチャリ通
2021/01/08 - 師走の刃
2020/12/24 - 冬の日の合同発表
2020/12/16
最近の記事
- 2020年度
- 2021/02/03 修羅場と振り返り
- 2021/01/18 本番に潜む魔物
- 2021/01/08 年明けのチャリ通
- 2020/12/24 師走の刃
- 2020/12/16 冬の日の合同発表
- 2020/11/25 足を描く
- 2020/11/18 念願のグッズ販売ぽよ
- 2020/11/04 情弱の秋。
- 2020/11/04 げいけんちゃんの菓子盆展レポート!後編
- 2020/11/04 げいけんちゃんの菓子盆展レポート!中編
- 2020/11/03 げいけんちゃんの菓子盆展レポート!前編
- 2020/10/29 盆・トゥ・ビー・ワイルド
- 2020/10/15 パラレル・ループ
- 2020/10/11 芸大祭企画のお知らせ
- 2020/08/26 戦士たちのお休み
- 2020/08/21 おいでませオープンキャンパス
- 2020/08/05 ああ夏休み
- 2020/06/19 「無い展覧会」に寄せて
- 2020/06/18 無い展覧会 第9回「吹き出しを付けたい歌麿」
- 2020/06/17 無い展覧会 第8回「こいの劇的瞬間」
- 2020/06/16 無い展覧会 第7回「エピソード」
- 2020/06/15 無い展覧会 第6回「ホアキン・ソローリャの浜辺」
- 2020/06/14 無い展覧会 第5回「愛ある世界」
- 2020/06/13 無い展覧会 第4回「野草展」
- 2020/06/11 無い展覧会 第3回「ねむたいてん」
- 2020/06/10 無い展覧会 第2回「静なるカオス」
- 2020/06/09 無い展覧会 第1回「笑顔の肖像」
- 2020/06/08 Web班プレゼンツ新企画「無い展覧会」始動!
- 2020/05/27 唯一の運動
- 2020/05/21 ゼミはじまりました
- 2020/05/13 あまりに人間的な生活
- 2020/05/06 五月の悪魔
- 2020/04/22 京芸Neo新歓 やってます
- 2020/04/21 おうち時間
- 2020/04/16 Meetをしても一人
- 2020/04/15 バーチャルな郷愁
- 2020/04/06 ライフハックと芸大生
- 2019年度
- 2020/03/28 卒業式とげいけんちゃん
- 2020/03/11 京都府画学校への道
- 2020/02/21 嵐山遠足〜遅刻魔を添えて
- 2020/02/12 終わりのパフェ
- 2020/01/23 たのしみ
- 2020/01/08 あけまして
- 2019/12/18 “書き締め”
- 2019/12/13 げんかい
- 2019/12/09 石橋義正先生特別インタビュー記事公開!byきらら
- 2019/12/09 ナイフと聖夜
- 2019/11/27 芸大生は展覧会の夢を見るか?
- 2019/11/14 肴に甘味を
- 2019/11/13 イニシエーションと苦味
- 2019/11/06 こんにちは、交換留学生の馬寧です。
- 2019/10/17 芸術の秋、食欲の秋
- 2019/10/03 いろトリどり
- 2019/09/11 サラダと日記(と宣伝)
- 2019/09/04 晩夏、南座に桜降る
- 2019/08/27 夏の納涼
- 2019/08/04 オープンキャンパス当日
- 2019/08/03 明日はオープンキャンパス
- 2019/07/24 ならまち遠足
- 2019/07/19 前期合同発表会
- 2019/07/12 ときめきのトルコ
- 2019/07/03 レインボーと心臓
- 2019/06/26 ぽよ?
- 2019/06/19 遠足延期
- 2019/06/12 文楽鑑賞会
- 2019/05/29 はじめまして
- 2019/05/22 タピオカと深淵
- 2019/05/22 前期1ゼミ遠足!
- 2019/05/15 GWあけ
- 2019/04/24 二回生になりました。
- 2019/04/11 新学期
- 2019/04/05 オリエンテーション
- 2018年度
- 2016年度
Archive
無い展覧会 第1回「笑顔の肖像」
北幸都乃 撰

肖像画には、画家とモデルとの関係性や心の交流が如実に反映されます。ニッコリからニヤニヤまで、さまざまな笑顔の肖像画を見て心を穏やかにする展覧会。どうぞご笑覧ください。
ギャラリーへのリンクは→こちらをクリック
作品タイトルをクリックすると、Google Arts & Culture上の作品解説のページに飛ぶようになっています。合わせてご鑑賞ください。
1.Joshua Reynolds《A Young Girl and Her Dog》
ロココ時代に「歴史画こそ素晴らしい」と主張した、保守的なロイヤル・アカデミーの初代会長。そんなお堅い画家が、可愛い女の子と動物の画題、「ファンシーワーク」を描く面白み。柔らかい筆致の空気にくつろぐ穏やかな表情の犬が愛らしい。
2.Johannes Moreelse《Democritus》
3.Johannes Moreelse《Democritus, the Laughing Philosopher》
2点目、3点目は同一の作者による作品だ。「笑う人」の異名を持つ古代ギリシャの哲学者デモクリトスのキャラクターを前面に押し出す。満面の笑みは人生への楽観か、はたまた本質を見逃す我々への嘲笑か。同じ時期に同じ作者が同一人物を繰り返し描いた意図も興味深い。
4. Alexander Roslin 《The Lady with the Veil (the Artist’s Wife)》
肖像画家が、同じく肖像画家として名を馳せていた妻のジルーストを描いた作品。たおやかな笑み、意味深長なポーズや小道具からはストーリーが膨らむようだ。この作品を制作するにあたって、どんな会話があったのだろう。
5.George Romney 《The artist’s brother James holding a candle》
制作当時、モデルの弟は16歳。蝋燭の光で浮かび上がる表情や手の輪郭。静かな美しさが心に染み渡り、兄弟の仲の良さまで窺わせるような、しみじみと温かい作品だ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
Web班コメント
・「笑う人」っていうキャラクター付けのデモクリトスが面白い。いっそデモクリトスばかり集めて見たい(田島)
・3の作品、めっちゃほくそ笑みながら和太鼓叩いている人いるわ〜〜って思ったら地球儀をゆび指してるデモクリトスでした…バチなんて持ってなかったですね。(田部)
・犬って抱かれている時基本的にこんな感じの「無」の表情するんですよね…。少女の満足そうな微笑みとは対照的に(森)
・17世紀のオランダにはトローニーという誇張された表情を描いた肖像があります。以前からよくあるすまし顔ではなくても、顔をくしゃくしゃにして笑う人はとても魅力的に見えます(山田)
・女性の色白の肌や微笑む上品な口元が理想的です….柔らかに表現された肌にうっとり見とれてしまいます。(池上)
・2の作品の男性。全体的に色白に描かれているのに、顔は紅潮。どんだけ楽しいのかとツッコミを入れたくなる。(畑中)
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
全体的にデモクリトスが人気ですね。画題としては「泣く哲学者」の異名を持つヘラクレイトスと対比して描かれることが多いようです。
デモクリトスを描いた絵画は意外にもたくさんあって、著名なところで言えばピーテル・パウル・ルーベンスの《笑う哲学者デモクリトス》や《デモクリトスとヘラクレイトス》が挙げられます。前者は残念ながらGoogle Arts & Cultureでは見ることが出来ないようですが、興味を持たれた方は調べてみてくださいね。
飾らない満面の笑みには、きっと人を惹きつける力があるのでしょう。皆様と次に会うときも是非笑顔で!
さて、明日の第2回は山田さんにバトンタッチ。展覧会名は「静なるカオス」です。彼女は私たちにどんな混沌を見せてくれるのでしょうか。乞うご期待!!